FLESH + BLOOD


いわずもがな「ロボコップ」「トータル・リコール」「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」などを監督した最重要映画人、ポール・バーホーベンのアメリカ初進出作品がこれ。日本では劇場未公開で当時ビデオのみで「グレート・ウォリアーズ/欲望の剣 」っていうひどい邦題で出回っていたらしい。ちなみにテレビ放映された際には「炎のグレートコマンド/地獄城の大冒険」っていうこれまた最低な邦題がついている。のだけど、その最低なセンスがけして作品の内容を冒涜しているわけではないのが困ったところ。むしろすごく内容に合っている感すら。

共感できるような人の良いキャラクターは皆無だし、やけっぱちな暴力描写や冗談みたいなセックス描写てんこもり、権力・金・女・戦争などのテーマを好み、この世のグロさ、この世のB級さ、この世のクソさ、を常に全力で手を抜かずに描くのがポール・バーホーベン。誰もが知っているのに声に出すのははばかられるこの世界の本質をありったけのサービス精神で映画にする男。人間への徹底してクールなまなざし。映画への徹底してピュアな愛情。それがポール・バーホーベン

俺が観たのはロシア語の吹き替え版で言葉とかよくわかんないのに、大体理解できてしまった。すごい。ザ・映画力。ベイジル・ポールドゥリスの音楽もわくわくして最高。


主演のルトガー・ハウア―とお姫様ジェニファー・ジェイソン・リースピードワゴンの井戸田と安達祐実にだんだん見えてくるアラ不思議。



これがロシア語吹き替え版。